後立山南部 針ノ木岳(2820.7m) 2016年7月16日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:20 扇沢−−4:46 車道を離れる−−5:04 鳴沢−5:20 赤沢−−5:26 大沢小屋−−5:56 雪渓末端(アイゼン装着)−−6:41 雪渓の切れ目(夏道移行場所)−−6:49 雪渓上端−−7:38 針ノ木峠−−8:20 針ノ木岳(休憩) 9:32−−10:01 針ノ木峠−−10:26 雪渓(アイゼン装着) 10:30−−10:45 雪渓末端 10:47−−11:07 大沢小屋−−11:11 赤沢−−11:26 鳴沢−−11:40 車道−−12:00 扇沢

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2016年7月16日 日帰り
天候下界:曇 稜線:晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場扇沢の市営無料駐車場に駐車
登山道の有無あり
籔の有無雪渓に出るまでは登山道の両側から笹や草のはみ出しあり、雨や朝露でけっこう濡れてしまう
危険個所の有無雪渓歩きに不慣れな人は特に雪渓の下りでコケないよう要注意。要アイゼン
山頂の展望森林限界を越え大展望
GPSトラックログ
(GPX形式)
ここをクリックしてダウンロード
コメント悪天覚悟で出かけたが扇沢は雨だったのが山頂は晴れ! 針ノ木峠が雲海の上面だった。天候の関係か登山者の出だしが遅く下山時の針ノ木峠から下でたくさんの登山者とすれ違った




扇沢駅。大型バスが来ていた ゲート左が登山道入口
登山道入口 林道に出る。明るくなってきた
トンネル手前で登山道は左へ 作業車用トンネル入口
この先はもう車道は無い 遠くに針ノ木雪渓
標高1630m付近の湧き水 石の下から水が湧き出している
大沢小屋 赤石沢出合いに雪は皆無
標高1840m付近が雪渓末端 橋で右岸側に渡ってから雪渓に乗る
軽アイゼンを付けて雪渓に乗る 雪が少なく陥没個所も
いったん雪渓が切れると夏道は近い 標高2140m付近。夏道入口だが分からずに雪渓を直進
標高2200mの雪渓終点まで雪渓歩きしてしまった 右岸側に夏道登場
ガスが晴れてきた! 標高2270m付近。残雪期はここからが急雪面
夏道は左岸側にある 針ノ木峠。晴れている
針ノ木岳に向かう テント場
南には槍ヶ岳 山頂が見えた
手前の岩は北側を巻いてしまう
カールはお花畑 標高2750m付近
このピークが山頂 針ノ木岳山頂
針ノ木岳から見た360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
針ノ木岳から見た常念山脈〜槍穂
針ノ木岳から見た裏銀座〜薬師岳(クリックで拡大)
針ノ木岳から見た薬師岳〜立山間の山
針ノ木岳から見た立山、劒岳 針ノ木岳から見た黒部別山
針ノ木岳から見た奥木挽山 針ノ木岳から見た蓮華岳
針ノ木岳から見た南アルプス 針ノ木岳から見た富士山
針ノ木峠へ テントが1つだけ
峠がガスの上限。ここからガスの中に突入 峠から下り始め
夏道/雪渓境界 小さな鯉のぼりが目印
アイゼンを外す人 アイゼンを付けて雪渓に乗る
雪渓を振り返る 雪渓終了
大沢小屋 林道着
関電のトローリーバス 林道入口のゲート
登山口のテントは無人だった 駐車場到着


 今週も天気予報がイマイチだ。梅雨なんだからしょうがないが週末に限ってぱっとしない。日曜日は雨の予報で土曜日も微妙な情勢で、雨に降られてもガスに巻かれても許容できる山を選ぶことにしたが今週は針ノ木岳とした。扇沢からの標高差は約1400mであり、北アでは標高差が低い部類に入る。それに扇沢の標高が高く、最初から涼しさを期待できる。

 前夜に扇沢の市営無料駐車場に入るが雨。木が張り出した下に駐車したら木から垂れる雨粒が車の屋根を叩く音が大きい。針ノ木岳の明日の天気予報は曇りまたは霧、時々雨だ。この雨が残らなければいいのだが。駐車場の入りは半分程度で空きが多い。

 翌朝、屋根を叩く雨音は小さくなったが周囲はガスって細かな霧雨が降っているが雨具が必要なほどではない。山頂もこんな天気かなぁと考えつつまだ暗い中を出発する。扇沢の有料駐車場のライトが明るい。既に大型バスがやってきているが夜行バスだろうか。駅が開くまでまだかなり時間があるだろう。

 駅南側の舗装された車道のゲート横から登山道に入る。登山道も車道を数回交差するのでこのまま車道を歩いてもOKだが、車道のカーブをショートカットしてくれるので効率的だ。ただし少々草がはみ出したりしていて、雨で濡れた状態だとちと歩きにくい。林道に合流してから先は林道歩きに切り替えた。林道はやがてトンネルに吸い込まれて関電トンネルに合流するが、トンネル入口は格子状の扉が閉まっているようだった。

 トンネル入口手前で左に登山道が分かれる。しばし左岸を高巻きする登山道を進む。ここも微妙に草木がはみ出しているので、今のように濡れた状態だと雨具があった方がいいくらいだが、ゴアを着ると暑くて自分の汗で濡れるので、はみ出した草木を手でどかしながら進む。いくつか横断する沢は涸れているか水量は少ないかで渡るのに問題はない。標高1630m付近の森の中で沢の源頭を横断する個所には湧き水の解説あり。見た目にはごく普通の沢のように見えるのだが、すぐ近くの岩の下から大量の水が湧き出していた。

 大沢小屋を素通りしてなおも進むが、この時期では雪渓が後退して左岸高巻道を進む。赤石沢との合流点にも雪は見当たらない。標高1840m付近でようやく雪渓末端が登場し、橋で右岸に渡ってから雪渓に取り付くようになっていた。本日は6本爪の軽アイゼン。針ノ木雪渓はそれほど傾斜はきつくないが、この時期にもなると雪と言うより氷に近く、登りはともかく下りは非常に滑りやすい。ノーアイゼンでも足の置き場所に注意して歩けば行けないことはないが確実に歩行スピードが落ちる。雪に慣れた登山者なら軽アイゼンでも効果は絶大である。雪渓表面は「スプーンカット化」が進んで凸凹が酷く歩きにくいが、場所を選べば足を平らな場所に置けるので滑らない点では有利だ。しかし場所によっては完全に氷になった区間があり、先が訛ったアイゼンでは食いつきは良くないため足の力のかけ方に注意が必要だ。

 雪渓は所々で陥没があり雪の少なさを物語っていた。雪渓が切れかけた場所で小振りの鯉のぼりがあったが、ここが雪渓を下りて右岸の秋道に乗り換える目印だったのを登りでは気付かず、そのまま雪渓を終点まで登っていく。その先に踏跡が見えないのでルートをミスったことに気付いたが、右岸側の大岩に目印のペイントを発見し右岸側に登ると踏跡に合流した。ここまで登ると上空のガスが薄まって空の青さが時々見えるようになった。どうやら今までの霧は雨雲ではなく雲海の中だったようで、ある程度の高度に達すれば雲海の層を抜けて晴れのエリアに入れそうだ。ただしそれが針ノ木岳山頂より高いのか低いのかはここからでは分からない。

 ヤマクボ沢を右に分けて本流を登ると傾斜がきつくなる。残雪期はピッケルが欲しくなる場所であるが、無雪期は安全に登れる。左手斜面から流れ落ちる支流が最後の水場となろう。本流ではもっと上流でも水は流れているが水質は保証できない。

 沢から離れて左岸を登り始めれば針ノ木峠は近い。ガスの濃さはどんどん薄くなっていき、どうやら峠付近が雲海上面らしい。扇沢のガスと霧雨が嘘のような好天だ。針ノ木峠に到着すると予想通り雲海を突破、上空は秋を感じさせるような薄雲だけでいい天気! 南には槍ヶ岳も見えている。これなら山頂から大展望が期待できそうだ。

 前回登ったときはまだ稜線にも雪が残っていたが今は皆無で夏道を進む。岩場が登場すると登山道は尾根上を離れて北側を巻く。眼下のカールはお花畑。今は花盛りの季節だ。岩峰帯を巻き終わると再び尾根上に乗り山頂まであと僅かだ。そして無人の針ノ木岳山頂に到着。

 当初の予想に反して大展望が待っていた。立山、剱岳は黒部川の反対側で間近。かなり雪は少ない。爺ヶ岳の時は見えなかったが今回はくっきり。鹿島槍や白馬も見えている。南側には槍穂、表銀座から常念岳、野口五郎岳、水晶岳、赤牛岳、薬師岳と並ぶ。東側は背の高い雲海で志賀高原の山並みさえ見えなかった。西側は雲海は無く東から押し寄せた雲海が時々スバリ岳との鞍部に上がってくるが、時間が経過すればこれが全体的に上がってきて稜線はガスの中に入ってしまうのだろうか。

 天気予報が悪かった影響か、休憩している間に登ってきた登山者は1名のみ。元気な若者でワンデイで扇沢馬蹄形縦走だそうで、私もいつか挑戦したいルートだ。

 展望を充分に楽しんで下山開始。針ノ木峠にはテントが1張。そして峠から沢沿いの下りにかかるとガスに突入、登ってくる登山者の数が一気に増えた。扇沢の天候は良くないので出だしは遅くなるが、登ってくる人数自体は意外に多い。しかも日帰り装備ではなく小屋泊まりやテント泊まりのザックの大きさだ。このまま明日まで天候が持つようなら私もテントを担いでくれば良かったと後悔したが、実際には翌日は朝から雨になったので日帰りで正解だった。でも今日だけは展望を楽しめるだろう。

 大沢小屋に達する頃にはすれ違う登山者はほぼいなくなった。朝方よりも草の濡れ方が軽くなったので下山では足元が濡れることもなかった。車道を歩いて登山口へ。テントには誰か人がいるかと思ったら無人のまま。梅雨明け後に有人化するのかも。

 扇沢の無料駐車場は満杯で、整理員が一段下の無料駐車場へと誘導していた。もちろん登山者ではなく観光客が多数を占めている。でも今日みたいな天気ではせっかく黒四ダムに行っても周囲の山は雲に隠れて見えないので迫力に欠ける景色かな。

 

山域別2000m峰リスト

 

ホームページトップに戻る